ヤング・リヴィング基金

ソール・ホープ

ソール・ホープ

ソール・ホープは教育、雇用、医療支援を通じて、人々が足の皮膚疾患に悩まされることなく明日への希望を持ち、健康に暮らせるよう支援活動を行っています。ソール・ホープの一番の目的は子供や大人がスナノミ症に二度とかからないようにすることです。

スナノミとは?

スナノミとは文字通り砂に生息するノミで、人の手や足に寄生します。メスのスナノミは人の皮膚に寄生し、皮下で豆の大きさぐらいにまでに成長しながら卵を産み続けます。スナノミはアフリカサハラ砂漠以南に生息し、ウガンダの家や学校の土間に潜んでいます。ウガンダの子供たちは土の上を裸足で遊んでいることが多いため、スナノミの被害にあう確率が高いのです。

スナノミの寄生によってできた傷は非常に激しく痛み、傷を受けた子供たちは、歩いたり走ったりして遊ぶことや、学校に通うことさえできなくなってしまいます。

小さな虫による大きな健康被害

スナノミによる皮膚疾患を防ぐ一番の方法は、靴を履くという簡単なことです。またノミが寄生してすぐであれば、ノミを取り除くだけで皮膚疾患は防げます。一方でノミの寄生に気付かず、ノミの成長するのを放置してしまうと問題は深刻になります。いったんスナノミが皮下に卵を産むとあっという間に数が増え、皮膚の膨張と炎症が起こり、柔らかい皮膚組織が破壊され傷ができ、その傷から感染症やその他壊疽や破傷風などの重い病気を引き起こします。最悪の場合、足の切断を余儀なくされたり、身体の変形を引き起こしたり、しまいには死に至る場合もあります。

社会的落胤と不名誉

残念なことに、スナノミにかかってしまった人々は社会的にのけ者にされてしまうため、すぐに必要なケアを受けることが出来ないのです。患者は笑いものにされたり、汚名を着せられたり、いじめの対象となってしまいます。この病気が呪いや悪霊の仕業だと考えられているため、患者は家に閉じ込められてしまう場合もあります。このような時患者が最も必要としているのは家族や近所の人々の暖かい看護です。しかしながら、一番必要とする家族や知り合いからも見放されてしまい、患者は絶望の淵に落とされる場合が多くあります。

ソール(足の裏)とソウル(魂)の希望

ソール・ホープについてお話をしましょう。スナノミ症の患者からスナノミを取り除くことから始まったソール・ホープの試みは、今ではウガンダで、医療ケア、救済、教育、雇用の創出といった総合的なアプローチへと発展してゆきました。ソール・ホープは様々な試みやプログラムを通して、現実的な解決策を施すことにより、より多くの人々の支援を目指しています。

診療所

ソール・ホープは毎週約400名の人々からスナノミを除去しています。そのほとんどが子供たちで、ノミ除去は、ウガンダのジンジャと言われる街周辺の村々や学校に臨時診療所を設けて行っています。治療はまず足を洗うことから始めます。足を洗った後は、訓練を受けた専門家がノミ除去を行い傷に包帯を巻きます。このような医療処置が行われた後、患者にスナノミに関する教育を行います。

教育

ソール・ホープは人々にスナノミに関して周知してもらうことにより、スナノミ症に対する人々の誤解をなくし、子供たちや、子供を育てる人々にスナノミの除去の仕方や感染への対処に関する教育を行います。

丈夫な靴

ソール・ホープは現地の靴職人を雇い、人々のために耐久性が強く足をしっかりと保護してくれる靴を作る画期的な技術を教えることで地域に貢献しています。人々をスナノミ症の脅威から守るよう、彼らが作る靴は全てつま先が全部隠れるようになっています。また、靴のアッパー部分にはジーンズと市販の牛乳が入っていたプラスチック容器を、底の部分は中古タイヤを使用する等、素材の約98%はリサイクル素材です。非常に丈夫な靴を作ることによって、1回使われた靴を次の子供が再利用できるようにしています。
サポートの継続
ソール・ホープは、スナノミ症にかかっている患者の診断を行い、病気からの回復をサポートします。患者が回復すると、自分たちの村に帰るのを手伝い、戻った家の外と中を消毒し、新しいベッドで眠れるようにする等、患者への支援を一時的なもので終わらせることはしていません。

アウトリーチ・ハウス

ヤング・リヴィング基金はソール・ホープがウガンダのジンジャという町に土地を購入し、アウトリーチ・ハウス診療所を建設しました。重症のスナノミ症の患者はアウトリーチ・ハウスに収容され、スナノミ症、またはそれによる合併症から回復できるよう治療を受けます。また、患者に対してスナノミの除去の仕方、洗濯の仕方、料理や手作業など様々な教育も行っています。

雇用と人間としての誇り

ソール・ホープは、靴作りの技術を伝えるなど、将来も役立つような技術を教えることにより雇用を創設することがコミュニティーへの支援になると考えています。
この支援は、使い古したジーンズや牛乳が入っていたプラスチィック製のカートンを寄付してもらうことからスタートします。寄付された素材はソール・ホープの指示に従った形に裁断されます。裁断された素材はウガンダのジンジャにあるソール・ホープの事務所に送られ、靴づくりの技術を持ったウガンダの人々が送られてきた素材と古タイヤを使って靴を作るのです。古タイヤを使うことによって、大変丈夫な靴を作ることができ、同時に資材経費は抑えられ、地球にもやさしく、ローカル資材の活用という多くの利点がある他、タイヤを使うことがウガンダの靴づくりカルチャーの一部となっています。