【コンプラ知恵袋】概要書面の大切さ-2019年4月|Compliance(コンプライアンス)

【コンプラ知恵袋】

概要書面の大切さ:概要書面は必ず交付してください。

マンションや一戸建ての住宅を購入するとき、物件の外観や周辺の環境が気に入って買う人が多いと思います。一生のうちで最も高い買い物ですので、買った後で建物の欠陥が見つかったとか、買うときには近くに駅ができると聞いていたのに実際は予定が立っていなかったら、深刻な問題です。消費者がこのような被害を受けないように、宅地建物取引の資格を持つ者が契約前に必ず物件の重要事項を説明することが法律で義務づけられています。
同じように、ヤング・リビングのホールセール会員を勧誘するときも、規模こそ違いますが消費者が被害を受けることのないよう紹介者は相手が契約する前に必ず概要書面を手渡して重要事項を説明することが特商法で義務づけられています。MLMはコピービジネスと呼ばれるぐらい、正しいことも間違ったことも紹介者から伝えられたことが次々に伝播してゆきます。ビジネスをスタートする前に概要書面で正しい情報を伝えることの大切さがここにあります。今回は概要書面についていくつかポイントをお話しします。

概要書面はいつ渡せばよいのか

概要書面は相手が登録申請する前に必ず手渡す必要があります。登録申請した後に概要書面を渡した場合は法律の主旨から書面不交付と見なされ違反行為になります。

手渡しが必要か

概要書面は直接手渡しがいいとされていますが、直接手渡し出来ない状況では郵送や第三者に依頼することも可能です。大切なことは、登録申請前に必ず相手の手元に概要書面を届け、相手が内容を理解したことを確認した上で登録申請に進むことです。

概要書面で伝えるべき重要事項とは

相手が登録申請する前に知っておいて欲しい重要事項は次の通りです。
1)連鎖販売取引であること
組織を構築するためネットワーク・ビジネスと言われることがありますが、法律上は連鎖販売取引となります。製品を安く買うためにホールセール会員になった人でも、ビジネスを紹介したり組織を育てることによってボーナスを得るチャンスがありますので、通信販売取引のようなものでなく、連鎖販売取引であることを伝えてください。

2)会社の概要(概要書面第1章)
紹介する製品やビジネスはヤング・リビング・エッセンシャル・オイルズが統括するものであり、日本においてはヤング・リビング・ジャパン・インクがサービスを提供していることを伝えてください。手続きについての問い合わせには、お客様問い合わせ窓口を紹介してください。

3)製品について(概要書面第2章)
製品発注方法、支払い方法や引き渡し時期を説明してください。製品一覧表には価格、特徴が記載されていますが、詳しく説明したいときは会社が提供する製品カタログなどの各資料を活用してください。
会社が提供する製品は化粧品、栄養補給食品ですので、使用によって医薬品的な効能効果や治療効果があると説明をすることはできません。
製品の使用感を伝えることは大切ですが、病気治療や予防効果の体験談は説明することはできません。

4)ボーナスプラン(特定利益)(概要書面第3章)
概要書面に紹介されているボーナスプランは初めての方にもわかりやすく記載されています。振込口座の通帳を見せて誰でも収入が取れるといった断定的な説明や、努力しなくても誰でも簡単に収入が入るような説明はできません。
収入が取れるように紹介者である、あなたがサポートしてゆくことを伝えてください。

5)特定負担(概要書面第4章)
登録する条件として、50PV(およそ9000円)以上の製品を購入する必要があります。不要な商品を買わされたと誤解されないために登録条件であることを必ず伝えてください。製品を安く購入したいためにホール・セール会員に登録する人にも、しっかりと説明する必要があります。

6)クーリングオフ(概要書面第6章)
クーリングオフは消費者保護の観点から消費者の究極の権利ですので必ず伝える必要があります。登録申請後、契約書か初回製品がとどいてから20日以内であれば、理由の如何にかかわらず登録を解除して支払った金額は全額返金されます。
クーリングオフを説明しなかったために相手がクーリングオフを知らなかった場合は、クーリングオフの起算日は定まらず、いつまでもクーリングオフが適用される可能性がありますので、必ず説明してください。

7)会員活動に関する規約(概要書面第8章、第9章)
紹介した相手がビジネス活動する前に規約を遵守することを伝えてください。特に注意して欲しいことは

    1. ①製品の医薬品的な効能効果や病気治療や予防効果を謳って製品を販売するとは薬機法違反になること。
    1. ②ネットオークションやアマゾン・楽天・メルカリといったネットショップに製品を出品することは禁止されていること。

などです。

最後に

概要書面を登録申請する前に手渡すことが法律で定められていますが、相手は読まなかったり理解できないことがあるため、必ず上記7項目の重要事項を説明して理解を確認する必要があります。
概要書面交付は特商法で定められた規則であり、違反すると刑事罰が科される恐れがあります。勧誘の際は、十分な時間を割いて概要書面を交付し説明を行うようお願いします。