消費生活相談から見る、ネットワークビジネスで気をつけたいこと|Compliance(コンプライアンス)

【コンプラ知恵袋】

消費生活相談から見る、
ネットワークビジネスで気をつけたいこと

全国の消費生活センター等には、毎年さまざまな消費生活相談が寄せられています。

今回は、PIO-NETに登録された2025年度の相談状況から、ネットワークビジネスに関する相談の傾向をご紹介します。

どのような点がトラブルや不安につながりやすいのかを知り、日頃の活動を改めて振り返ってみましょう。

 

 

PIO-NETとは?

PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)は、全国の消費生活センター等に寄せられた消費生活相談の情報を収集・共有するシステムです。

 

2025年度 全国の消費生活相談の状況
-PIO-NETより-

2025年度に全国の消費生活センター等が受け付け、PIO-NETに登録された消費生活相談の状況が報告されました。その中で、ネットワークビジネス(表中:マルチ取引)に関する最近の相談事例も紹介されています。

販売購入形態別・内容別の相談件数

販売購入形態別・内容別の相談件数

左右にスクロールして全項目をご覧いただけます。
上段:件数/下段:(割合%)

販売購入形態 安全・
衛生
品質・機能
役務品質
法規・
基準
価格・
料金
計量・
量目
表示・
広告
販売
方法
契約・
解約
接客
対応
包装・
容器
施設・
設備
販売購入
形態別件数
店舗購入 13,937(6.9) 47,684(23.8) 7,198(3.6) 41,734(20.8) 480(0.2) 8,681(4.3) 45,965(22.9) 149,094(74.3) 53,969(26.9) 252(0.1) 648(0.3) 200,695
訪問販売 712(0.9) 5,531(7.1) 1,242(1.6) 18,408(23.5) 19(0.0) 5,236(6.7) 60,494(77.2) 61,115(78.0) 8,396(10.7) 13(0.0) 56(0.1) 78,392
通信販売 8,422(2.2) 39,619(10.4) 5,604(1.5) 43,806(11.4) 418(0.1) 73,284(19.1) 268,410(70.1) 328,324(85.8) 49,854(13.0) 309(0.1) 110(0.0) 382,721
マルチ取引 59(1.5) 172(4.3) 212(5.3) 506(12.6) 1(0.0) 65(1.6) 3,171(79.2) 3,237(80.9) 283(7.1) 1(0.0) 1(0.0) 4,003
電話勧誘販売 255(0.4) 1,854(2.8) 847(1.3) 7,263(10.9) 16(0.0) 3,127(4.7) 56,663(84.9) 48,551(72.7) 5,736(8.6) 6(0.0) 27(0.0) 66,768
ネガティブ・
オプション
11(0.3) 60(1.6) 32(0.9) 148(4.1) 0(0.0) 77(2.1) 2,933(80.6) 2,309(63.4) 264(7.3) 5(0.1) 0(0.0) 3,640
訪問購入 23(0.3) 96(1.3) 423(5.6) 703(9.3) 4(0.1) 490(6.5) 5,183(68.9) 4,715(62.7) 971(12.9) 0(0.0) 1(0.0) 7,523
その他無店舗 159(2.5) 797(12.7) 256(4.1) 1,549(24.7) 14(0.2) 437(7.0) 2,543(40.5) 4,758(75.7) 1,162(18.5) 7(0.1) 23(0.4) 6,282

マルチ取引=ネットワークビジネス

出典:独立行政法人国民生活センター「2025年度 全国の消費生活相談の状況(PIO-NET)」

 

ネットワークビジネスの主な相談事例

  • 友人に勧められ、オンラインゲームのアフィリエイト副業を申し込み、借金をして費用を支払ったが、マルチ取引のようだ。クーリング・オフしたい。
  • 知人に誘われて健康食品のセミナーに参加したところ、マルチ取引への勧誘だった。説明内容に疑問があり、価格に見合う価値があるかも不明なため、契約を断りたい。
  • 職場の先輩から補正下着を勧められ、マンションの一室で高額な契約をした。しかし、後にマルチ取引であるとの口コミを見つけたため、解約したい。
  • マッチングアプリで知り合った女性に誘われてセミナーへ参加した。「人に紹介すると報酬が得られる」と説明されたが、断り切れず契約してしまった。

 

1.高齢者の相談が多い

相談者を年代別に見ると、年齢が高くなるにつれて相談件数が増加する傾向が見られます。特に70歳以上の相談件数は25万件に達しています。

また、契約者本人ではない第三者(家族や保護者など)からの相談割合は18.9%となっています。20歳未満については、相談件数自体は少ないものの、第三者からの相談割合は56.3%と高くなっています。

契約者本人ではない第三者からの相談は、契約について懸念や問題意識を持って寄せられるケースが多いと考えられます。

年代別の相談件数と第三者からの相談割合

年代別の相談件数と第三者からの相談割合

各年代の相談件数と、第三者からの相談割合

20歳未満

20,198件

本人が相談8,814件
第三者が相談11,379件
無回答(未入力)5件
第三者の相談割合56.3%

20歳代

92,104件

本人が相談78,424件
第三者が相談13,669件
無回答(未入力)11件
第三者の相談割合14.8%

30歳代

90,360件

本人が相談83,198件
第三者が相談7,147件
無回答(未入力)15件
第三者の相談割合7.9%

40歳代

110,600件

本人が相談103,647件
第三者が相談6,938件
無回答(未入力)15件
第三者の相談割合6.3%

50歳代

152,455件

本人が相談143,928件
第三者が相談8,503件
無回答(未入力)24件
第三者の相談割合5.6%

60歳代

151,354件

本人が相談142,001件
第三者が相談9,333件
無回答(未入力)20件
第三者の相談割合6.2%

70歳以上

258,113件

本人が相談209,324件
第三者が相談48,746件
無回答(未入力)43件
第三者の相談割合18.9%

無回答(未入力)

131,193件

本人が相談67,124件
第三者が相談53,346件
無回答(未入力)10,723件
第三者の相談割合40.7%

出典:独立行政法人国民生活センター「2025年度 全国の消費生活相談の状況(PIO-NET)」

 

2.ネットワークビジネス(マルチ取引)の相談は
若年層と高齢者に多い

ネットワークビジネスに関する相談件数を年代別に見ると、若年層と高齢者の割合が高いことが分かります。

20歳代が29.3%、70歳以上が15.8%を占めており、両年代を合わせると全体の約45%となっています。

この結果から、若年層と高齢者が、ネットワークビジネスに関するトラブルや不安を感じやすい層であることがうかがえます。

マルチ取引の年代別割合

マルチ取引の年代別割合

マルチ取引の相談4,003件に占める割合

  • 20歳未満0.7%
  • 20歳代29.3%
  • 30歳代9.8%
  • 40歳代11.6%
  • 50歳代12.8%
  • 60歳代9.7%
  • 70歳以上15.8%
  • 無回答(未入力)10.3%

20歳代29.3% + 70歳以上15.8%
合わせて約45%

出典:独立行政法人国民生活センター「2025年度 全国の消費生活相談の状況(PIO-NET)」

 

3.ネットワークビジネス(マルチ取引)の相談は
販売方法や解約に関するものが多い

ネットワークビジネスに関する相談件数は年間4,003件でした。

相談内容を見ると、

  • 販売方法に関する相談:3,171件(79.2%)
  • 契約・解約に関する相談:3,237件(80.9%)

となっており、いずれも高い割合を占めています。

これらの結果から、契約内容や勧誘方法について十分に理解しないまま契約に至り、その後、トラブルや不安を感じるケースが少なくないことがうかがえます。

マルチ取引の相談内容

マルチ取引の相談内容

マルチ取引の相談4,003件に対する割合

  • 契約・解約3,237件(80.9%)
  • 販売方法3,171件(79.2%)
  • 価格・料金506件(12.6%)
  • 接客対応283件(7.1%)
  • 法規・基準212件(5.3%)
  • 品質・機能・役務品質172件(4.3%)
  • 表示・広告65件(1.6%)
  • 安全・衛生59件(1.5%)

1件の相談に複数の内容が含まれるため、合計は100%を超えます。

出典:独立行政法人国民生活センター「2025年度 全国の消費生活相談の状況(PIO-NET)」

 

考察

ネットワークビジネスに関する相談では、販売方法や契約・解約に関する相談が特に多く、勧誘時の説明不足や契約内容への理解不足が、トラブルの要因の一つとなっていると考えられます。

ヤング・リビングでは、概要書面規則5.2において、「若年層や高齢者を勧誘する際は、相手の知識、経験、判断力、財産状況、健康状況等に十分配慮し、懸念がある場合には家族の同意およびヤング・リビングの承認を得ること」と定めています。

若年層および高齢者は、ネットワークビジネスに関する相談割合が高いことから、勧誘にあたっては法令遵守はもちろん、相手の理解度や状況に配慮した丁寧な説明と適切な対応を行うことが重要です。