スポーツの秋、気軽に始めよう|運動を無理なく続ける6つの工夫
スポーツの秋、気軽に始めよう|運動を無理なく続ける6つの工夫

スポーツの秋、気軽に始めよう

〜運動を無理なく
続ける6つの工夫〜

暑さも少しずつやわらぎ、体を動かすのが心地よい季節になってきました。
10月の第2月曜日は「スポーツの日」。

この機会に、「少し体を動かしてみようかな」「久しぶりに運動を始めてみようかな」と思っている方も多いのではないでしょうか。

とはいえ、いざ始めるとなると、「毎日続けなくては」「しっかり運動しなくては」と、つい頑張りすぎてしまうことも。

でも、最初から完璧を目指さなくても大丈夫です。
いつもより少し多く歩く、短い時間だけ体を動かすなど、まずは自分にできることから。

今回は「スポーツの日」にちなみ、厚生労働省が示している運動の目安も参考にしながら、毎日の暮らしの中で無理なく運動を続けるための6つの工夫をご紹介します。

目次

ハートのアイコン スポーツの日、まずは気軽な一歩から

せっかくの「スポーツの日」。
いつもより少し多く歩いてみたり、ウォーキングやジョギング、筋力トレーニングを始めてみたりするのもいいですね。

健康のためには、どのくらい体を動かせばよいのでしょうか。

「運動」というと、毎日しっかり時間をつくったり、ジムに通ったりしなければ……と思ってしまうかもしれませんが、実はもっと気軽に考えてもよさそうです。

まずは、厚生労働省が示している目安を見てみましょう。

ハートのアイコン 今より「10分多く」が健康への第一歩

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人の場合、歩行など、日常生活の中で体を動かす時間を1日60分以上(歩数では1日約8,000歩以上が目安)、息が弾み汗をかく程度以上の運動を週60分以上行うことなどが目安として示されています。筋力トレーニングについては、週2~3日が推奨されています。

ただし、ここで注目したいのは、これらの数字だけではありません。

厚生労働省のガイドでは、こうした目安とともに、「今よりも少しでも多く身体を動かす」という考え方が示されています。今より1日10分多く身体を動かすことで、生活習慣病や死亡のリスクが約3%低下すると推測されています。

また、「運動は20分以上続けないと意味がない」「週3回以上やらないと効果がない」と思っている方もいるかもしれません。

しかし、厚生労働省のガイドでは、こうした運動の最短時間や最低限の頻度は特に設けられていません。短い時間の積み重ねでも健康増進効果が期待でき、週1回の運動でも健康増進効果が報告されています。

だからこそ、最初から完璧を目指す必要はありません。

「今より少し多く動く」。
まずはそこから、気軽に始めてみましょう。

ハートのアイコン 「続ける」ために大切なことは?

運動を始めたばかりのころはやる気があっても、仕事や家事が忙しかったり、ちょっと疲れていたりすると、「今日はやめておこう」「また明日から」と、つい後回しになってしまうこともあります。

そんなときに大切なのは、意志の強さだけに頼らないこと。

「頑張って続ける」のではなく、「これならできそう」と思えるくらい、運動すること自体のハードルを少し下げてみましょう。

ここからは、毎日の生活に無理なく取り入れるための6つの工夫をご紹介します。

自宅で気軽に肩を伸ばす女性

ハートのアイコン 運動を無理なく続ける6つの工夫

1.目標は低く、柔軟に

まず大切なのは、最初から目標を高くしすぎないことです。

たとえば、
「毎日スクワットをする」

一見、とても簡単そうに思えます。

でも「毎日」と決めると、たった1日できなかっただけで目標未達成になり、「また続かなかった」という挫折感につながってしまうことがあります。

そこで、1日単位ではなく、1週間や1か月など、少し長い期間で目標を考えてみるのもひとつの方法です。

たとえば、「毎日30分歩く」ではなく、「週に2回歩く」と決めてみます。予定していた日にできなくても、別の日に振り替えれば大丈夫。

あらかじめ「できなかったら別の日にやる」と決めておけば、1日できなかっただけであきらめずに済みます。

目標は、予定どおりにいかなかったときにも調整できるよう、少し余裕をもたせておくことがポイントです。

2.小さな一歩から始める

運動着で玄関から一歩踏み出す女性

新しい習慣を始めるときは、いきなり大きな目標に挑戦するのではなく、まずは簡単にできることから始めてみましょう。

たとえばジョギングなら、

① ジョギングウェアに着替える
② 玄関を出る
③ 少し歩く
④ 走り始める

と、小さなステップに分けて考えます。

「今日から30分走る」と考えると大変ですが、「とりあえずウェアに着替える」だけなら、ぐっとハードルが下がります。

まずは決まった時間にウェアに着替える。
慣れてきたら玄関を出る。
次は少し歩いてみる。

このように、小さな行動を少しずつ積み重ねていけば、「運動しなければ」と毎回大きな決断をする必要も少なくなっていきます。

「これくらいならできそう」と思える小さな一歩から始める。

新しい習慣をつくるなら、まずは始めるためのハードルそのものを低くしてみることがポイントです。

3.完璧を目指さない

「今日は30分走る」と決めていたのに、30分の時間が取れない。

そんなとき、「30分できないなら、今日はやめよう」と考えてしまいがちです。

でも、30分できなくても、5分ならできるかもしれません。
5分でも、まったくしないよりは一歩前進です。

「30分やらなければならない」と考えるのではなく、「5分でもいい」「疲れたら途中でやめてもいい」と考えるだけでも、運動を始めるハードルは下がります。

実際、運動そのものよりも、ウェアに着替えたり、家を出たり、運動を始めるまでの一歩を重く感じることもあります。

完璧にできた日だけを成功にするのではなく、「少しでもできたらOK」。

そんな気持ちで取り組むことも、習慣を続けるための工夫です。

4.最初は「頻度」だけを目標にする

手帳に運動の予定を書き込む女性

「週2回、30分ジョギングする」
ではなく、
「週2回、ジョギングする」
だけを目標にする方法もあります。

時間も距離もスピードも、最初は決めません。

習慣づくりの段階では、たとえば1分だけ走って帰ってきても、「今日は走った」と考えます。週に2回できれば目標達成です。

始めたばかりの時期は、まず「運動する」という行動を生活の中に取り入れることを優先する。

習慣になってから、少しずつ時間や距離を増やしていくという考え方です。

5.「いつ・どこで・何をするか」を決める

「時間があったら運動しよう」では、そのたびに「今日はやるか、やらないか」を考えることになります。

そこで、
「日曜日の午前中は、近くの公園を歩く」
というように、「いつ・どこで・何をするか」をあらかじめ決めておきます。

「夕食の片づけが終わったら、10分歩く」
「朝起きたら、リビングでスクワットをする」
「日曜日の午前中は、公園をジョギングする」
といったように、すでにある生活の流れと組み合わせるのもひとつの方法です。

「今日は運動しようかな」と毎回考えるのではなく、「この時間になったら体を動かす」。

運動を特別なイベントではなく、歯磨きや入浴のように、いつもの生活の一部に少しずつ近づけていくことがポイントです。

6.がんばりすぎない、自分に合ったペースで

運動を始めると、「せっかくなら、しっかり体を動かしたい」と思うこともあるかもしれません。

でも、健康づくりのための運動は、きつければきついほどよいわけではありません。

特に運動を始めたばかりのときに無理をしすぎると、「運動はつらいもの」という印象が残り、次に体を動かすことがおっくうになってしまうこともあります。

大切なのは、自分に合った強度で、無理なく体を動かすことです。

スマートウォッチなどで心拍数を確認することも、自分に合った運動強度を知るひとつの目安になります。心拍数などの数値と、呼吸の状態や「きつい」「楽」といった自分の感覚。その両方を目安にしながら、自分に合った運動強度を探してみましょう。

「まだもう少しできそう」。
そんな余裕を少し残して終えるくらいが、次もまた体を動かそうと思えるペースなのかもしれません。

【年齢別 中強度運動の心拍数の目安】

American Heart Associationでは、最大心拍数をおおよそ「220-年齢」とし、中強度を最大心拍数の約50~70%、高強度を約70~85%としています。これらは平均値であり、一般的な目安です。

年齢 最大心拍数の目安 中強度 約50~70%
30歳 約190回/分 約95~133回/分
40歳 約180回/分 約90~126回/分
50歳 約170回/分 約85~119回/分
60歳 約160回/分 約80~112回/分
70歳 約150回/分 約75~105回/分

※最大心拍数は「220-年齢」で算出した簡易的な目安です。実際の最大心拍数や適切な運動強度には個人差があります。また、服用している薬などによって心拍数が影響を受けることがあります。心疾患がある方や治療中の方は、適切な運動強度について医師などの専門家にご相談ください。

ハートのアイコン スポーツの秋、自分のペースで始めてみよう

運動というと、「毎日続けなくては」「しっかり時間をつくらなくては」と、つい頑張ることを考えてしまいがちです。

でも、毎日の暮らしの中で続けていくなら、頑張りすぎないことも大切。

いつもより少し多く歩いてみる。
エレベーターではなく階段を使ってみる。
時間がない日は、5分だけ体を動かしてみる。

そんな小さなことでも、いつもの生活に「体を動かす時間」をプラスするきっかけになります。

最初から100点を目指すのではなく、
その日の自分にできることを少しずつ。

今年のスポーツの日は、自分に合った心地よいペースで、
体を動かすことを楽しんでみませんか。

参考資料

  • 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
  • American Heart Association「Target Heart Rates Chart」